2014年9月25日木曜日

[World News #101]independent film weekがNYで開催されました ニューヨークでifp主催のifw(independent film week)が9月14日から18日までの期間、開催されました。毎年開催され、36回目となる今回は「明日のための素晴らしいストリーテラーを発見し支えていこう」と銘打って133の映画が発表されました。ただし、ここでの『ストーリーテラー』を単に映画監督と捉えることはあまり正確では無いように思われます。 ifwを主催するifpとはindependent filmmaker projectの略称であり、その名の通りインディペンデント映画を支えていく団体です。彼らの活動は、インディペンデント映画の製作者を産業や観客などに結びつけることに主眼を置いています。その活動の仕方はあらゆるメディアを駆使することによって、新たな観客を生み出そうという試みでもあり、必然的に、ソーシャルアートなど映画以外の分野とも関わりを持っていくことにもなります。 ifwはそうした彼らの活動の最も主たるものであり、監督会議や公開討論会などもそこに含まれます。ifp主催のジョアナ・ヴィンセントは少し前の活動であるNYメディアセンター開催時のインタビューでこう述べています。 「現在、自分を映画監督だと認識することは興味深いことのように思います。何故なら、いまは単純に映画監督と呼ぶことが難しいからです。誰もがあらゆるものに繋がった芸術家であり、様々な領域にまたがる仕事をしています。そして、それはこのメディアセンターが調査していることなのです。私たちはインターネットの分野や、まだ多くの映画製作の基盤となるものたちをも取り上げます。会議内容は伝統的な単に映画を取る方法だけではなく、資金調達やプロデュース、パッケージの仕方、配給にまで及びます。こうした動きは、これまでとまったく違う映画のモデルを見ようとすることです。どのように人々が文脈を作り、配給に影響を受け、自らのブランドを作るためにリスクを必要とするかということまで考えます。そうすることで、人々は単純にある一つの同じ映画の観客にならないということが言えると思います。」※ こうした発言などから、ifwでの『ストリーテラー』とはネットの普及に伴い、語り手となる可能性を持ったあらゆる人のことであるということは明らかでしょう。会議や公開討論会は何回も行われ、そこでは様々なことが問題点として指摘されました。クラウドファンディング、デジタル化、ネットでの盗用、あるいはテレビなどいずれも切っても切れないような共通した問題が伺えます。旧来の考えではいわゆる作家主義に代表されるように作り手を重視する言説が作られてきました。しかし、現在は受け手の問題が盛んに考えられるようになっています。むしろ投資により先に観客を作る可能性や、盗用の危険性を冒してまでの動画サイトの活用を盛んにすることで映画をより開けたものにするといったことが語られています。そこでは、作り手よりむしろ横断的に情報を選び取ることで観客、つまり読み手自らが『ストーリー』を作り出すといった可能性まで考えられます。このように、観客側の可能性を考えることで、インディペンデント映画のための場を作り出そうというのが、ifwの試みとも言えます。 こうした考え方、分野横断的な場作りの話は日本でも良く聞く話ですが、確実に日本とアメリカでは違いがあります。例えば、日本ではアイドルやアニメのようなサブカルチャーのコンテンツで発生しているオタクコミュニティが盛んで、インディペンデント映画よりむしろこっちのほうが分野横断的な場に当たっていると思います。アメリカでは30年以上も続くifpが横断的に観客作りを行い、Indiewire等の他サイトがそれに対する記事を発表し接続したりすることにより、インディペンデント映画にスポットライトが当たった一定量の言葉の場作りが出来ています。何が、どういった目的で語られているのかは区別して考えていかなければなりません。単純に比べたりすることは出来ませんが、アメリカでインディペンデント映画に横断的な言葉を作っていく動きがあるということは、日本の私たちにとっても注目していかなければならないことだと思います。 横浜国立大学 三年 三浦 翔 http://ift.tt/1ofDLiA *(引用) http://ift.tt/1o1PSk9 IFPサイト http://ift.tt/1BapWbU 参考 Indiewire http://ift.tt/1mEod6V http://ift.tt/1BRcjRj http://ift.tt/1tQq4x2 http://ift.tt/1BapXN2

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