2014年5月31日土曜日

[World News #026] 男社会の映画業界の影 Yes All Women 2014年5月23日、アメリカはカリフォルニア州、サンタバーバラで、ある大学生が銃を乱射し、6人を殺害、13人以上を負傷させ、犯人自らも拳銃自殺するという大惨事が起きました。犯人は22歳の大学生、エリオット・ロジャー。彼は、事件を起こす2日前に、Youtubeに殺人予告動画を投稿していました。投稿されたビデオで彼は、誇張に満ちた言い方でこう宣言しています。 「自分は優れた人間であり、“アルファな男”なのに22歳で童貞、女性とキスもしたことがない。すこぶる不満である。だから自分を無視してきた女どもと、女と遊んでセックスしているような男どもへ報復をする」 この動画が撮られたのは、真っ黒なBMWの車中。ヤシの木を背景にしてマジックアワーに照らされており、劇調の言葉を選びながら撮影をしています。このビデオの中において彼はまさに、映画の中の、お決まりの悪役たちのようです。 好きな映画の中の悪役になりきって、極めて映画的な殺人予告動画を撮影したのには彼が「ハンガー・ゲーム」で第2班監督を務めた経歴のある映画監督、ピーター・ロジャーの息子だったことが大きく関係していると言われています。 映画は真実を映してはいません。そしてその映画から私たちは映画から、感じること、望むもの、考え方など、かなり強い影響を受けます。監督がやるって言ったら、映画の中では何でもあり。現実では思い通りにできない暴力だってセックスだって、何でも許されます。そして映画には、現実にありえないような登場人物や物語が、観客各々のアイデンティティや人生と溶け合ってしまう、そんな強い説得力があるのです。事件前から精神を病んでいた彼は、このおよそ現実ではない、映画監督たちの理想だらけの「妄想」にあてられてしまったのでしょうか。 しかし、ここでは映画が悪いと言いたいわけではないのです。ここで注目しなければならないのは、その映画監督たちというのは、ほとんど男性によって占められているということです。2013年にヒットした映画250本において、主たる製作(監督、脚本、撮影など)に携わった女性は、16パーセントしかいないと言われています。さらにその250本の中で、女性が主人公の作品は、15パーセントとも言われています。男性の「妄想」によって作られた作品があまりに大多数を占めている。男性によってこの説得力の非常に強いメディアが牛耳られ、女性の発言力が奪われ、さらに男性を男性たる妄想の世界に引きずり込んでいる。もし先に挙げた250本のうち、半数以上の作品が女性によって撮られていたならば、今回の事件もまた、違った結果になったかもしれない。彼が事件を引き起こし、自らも命を絶った原因となったのは、実は映画ではなく、ほかでもなく、いわゆる男社会であると言ってしまっていいのではないでしょうか。 この事件以降、ツイッターなどで、#NotAllMen や #YesAllWomen というハッシュタグでの議論が非常に盛り上がっています。この男社会が引き起こす問題は映画だけではありません。映画好き青年が起こした事件によって始まった議論の対象は、いま日常の身近なことにまで様々に波及しています。 より多くの人がこの問題について考えるきっかけになればと思います。 則定彩香 http://ift.tt/TQspKo http://ift.tt/1tekMYs http://ift.tt/1mlrF7Y



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2014年5月29日木曜日

[ World News #025 ] カンヌ国際映画祭、大ブーイングのライアン・ゴズリングの監督作とハリウッドスターの監督デビューについて考える チャーリー・チャップリン、クリント・イーストウッド、ロン・ハワード…彼らに共通するのは、成功した監督であるというだけではなく、俳優出身の監督だということです。彼らのように、映画界でのキャリアを俳優としてスタートし、後に監督になるという者は少なくありません。近年では、ベン・アフレック(『アルゴ』2012年)、ジョセフ・ゴードン=レヴィット(『ドン・ジョン』2013年)の活躍が記憶に新しいのではないでしょうか。 カナダ出身の俳優、ライアン・ゴズリングも、映画監督としての成功を目指した一人です。しかし、先日のカンヌ国際映画祭のある視点部門で上映された彼の監督デビュー作『Lost River』(原題)は、大ブーイングの洗礼を受けました。(#1) ゴズリングは、2004年のヒット作『君に読む物語』で、「死が二人を分かつまで」を体現したような一途な恋人を演じ、一躍トップスターの仲間入りを果たします。その後、『Half Nelson』(2006年、日本未公開)では、別れた彼女への思いを断ち切れず薬物依存症に陥る教師を演じてアカデミー賞主演男優賞ノミネート、また『ラースとその彼女』(2007年)では、リアルドールを本当の恋人のように愛する繊細な青年を演じてゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートと、人気だけでなくその実力も充分に発揮してきました。(余談ですが、ゴズリングの役は一途キャラが多いですね…。) そんなゴズリングは、カンヌ国際映画祭にもとても縁があります(逆に、ないとも言えますが)。2011年に主演を務めた『ドライブ』は、ニコラス・ウィンディング・レフン監督が監督賞を受賞し、思いを寄せる女性(人妻)を助けるためにマフィアと戦うドライバー(また一途な役どころ…)を演じた彼自身も賞賛を受けます。そして、昨年のカンヌでも、同じく主演を務めたレフン監督作『オンリー・ゴッド』がパルムドール賞を争う高い評価を受けました。しかしこの映画祭の期間中、問題の『Lost River』の撮影中だった彼は、保険会社の制約の都合で渡航許可が下りず、カンヌのレッドカーペットを歩くことができませんでした。人気絶頂のハリウッドで最もセクシーな俳優の不在は、多くのファンを落胆させました。(#2) その際、「最高の映画を作ってカンヌの地に戻ってきます」と宣言した彼のまんをじしての登場が、今年のカンヌ国際映画祭だったわけです。ところが、前述の通り、彼の監督デビュー作は酷評されました。 肝心の内容はと言うと、デトロイトのスラム街に住み、裏社会に関わりつつなんとか生計を立てるシングルマザーとその息子が、川底に異世界の街に通じる道を見つけ、暗黒の世界に足を踏み入れていく、というダーク・ファンタジーです。イギリスの新聞、The Guardianでは、作品は演出過剰であると表され、「スーパースターの成功とは、自分に対して"No"と言わない人に囲まれることでもある。もしかしたら、ライアン・ゴズリングもデヴィッド・リンチ監督やニコラス・ウィンディング・レフン監督の影響を受けた映画を撮るべきかどうか彼の周りの人たちに聞いて回ったのかもしれない」、とまで書かれてしまいました。(#3) 映画監督に転身し、成功する俳優とそうでない俳優にはどのような違いがあるのでしょうか。映画ライターのピーター・ハンソンが、コラムで興味ぶかい指摘をしています。(#4) 俳優が監督としても成功するには、まずは、彼らが俳優として築いてきたそのキャラクターに忠実な映画を撮ることだというのです。たとえば、ベン・アフレックはガス・ヴァン・サント監督の『グッドウィル・ハンティング/旅立ち』(1997年)で街の事情に詳しいボストンの下町の青年を演じ、監督デビュー作の『ゴーン・ベイビー・ゴーン』(2007年)では同じくボストンの下町を舞台にしました。確かにこのことは、チャーリー・チャップリンやオーソン・ウェルズといった映画史に残る監督たちも実践してきたことです。少なくとも最初の作品では、自分が俳優としてどのようなキャラクターを演じた時に最も輝くことができるのかを見定め、それを監督として表現することが成功の秘訣なのかもしれません。この点から考えると、『Lost River』の不評の一因は、ダーク・ファンタジーという設定が、情熱的で想い人に一途な色気たっぷりの男性(それもある意味ファンタジーだ、という点には目をつぶっておきましょう)というゴズリングのイメージからかけ離れたものであったからかもしれないですね。 配給予定だったワーナー・ブラザーズが配給を見合わせたという情報もあり、日本での公開も危ぶまれるような状態ですが、「私たちはまるで双子のように一心同体だ」というレフン監督からは「すばらしい映画だ」と賞賛されており(#5) 、実際にどのような作品にしあがっているのか気になるところです。映画の中では一途な思いをつらぬくゴズリングですが、今回のカンヌでの批評にめげず、映画監督への思いもつらぬいてほしいと思います。 Lost River - Official Trailer http://ift.tt/1hXwuBn 北島さつき #1 TIME REVIEW: Ryan Gosling’s Lost River: Crazy Like a Rat http://ift.tt/1o2B7lh #2 シネマトゥデイ ライアン・ゴズリング、カンヌ映画祭を欠席!渡航許可下りず苦渋の決断【第66回カンヌ国際映画祭】 http://ift.tt/1iuQGej #3 The Guardian Cannes review: Lost River - Ryan Gosling flounders with directorial debut http://ift.tt/1obuA5c #4 How Ben Affleck and Others Joined the Club of Successful Hollywood Actors-Turned-Directors http://ift.tt/1iuQHPj #5 Nicolas Winding Refn defends Ryan Gosling's Lost River: 'It's beautiful' http://ift.tt/1k3us8v 50 Greatest Actors Turned Directors http://ift.tt/1iuQGel



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2014年5月27日火曜日

映画『イーダ』オフィシャルサイト

[World News #024] 新たな視点で語りなおされるポーランド史 2013年のトロント映画祭において国際批評家賞を受賞し、昨年日本で開催されたポーランド映画祭2013でも高い評価を得たパヴェウ・パヴリコフスキ監督による『Ida』。ポーランド映画界を照らす新しい光が、イギリス在住の映画監督によってもたらされたのは、興味深い事実です。 パヴリコフスキ監督は1957年、ポーランドのワルシャワ生まれ。14歳の時に共産主義体制のポーランドを出て、イタリアやフランスを経てイギリスに居を定めました。80年代後半から90年代にかけてパヴリコフスキ監督は主にドキュメンタリー作家として活躍。(1) 2000年代には『My Summer of Love』や『The Woman in the Fifth』などのフィクションを撮りますが、それらは全く『Ida』とはタイプの違う作品でした。『Ida』は50代のパヴリコフスキ監督にとって自己革新的な映画だと評価されています。(2) 『Ida』は60年代のポーランドを舞台に、秘められていた自らのユダヤ人としてのルーツを知った少女の心の揺れを描いた映画です。モノクロの映像、美しい構図、極端に切り詰められたセリフによって、ホロコースト、共産主義の抑圧といったポーランドの悲劇を現代的な映像で語りなおしています。 60年代のポーランドといえば、アンジェイ・ワイダ、アンジェイ・ムンク、イエジー・カヴァレロヴィッチなどそうそうたる映画監督が活躍した時代ですが、パヴリコフスキ監督は『Ida』を撮るにあたって特定の映画監督に影響されたことはないと言います。むしろ彼の家族のアルバムや幼少期の思い出などがこの映画のイメージソースになっているとのこと。また撮影スタイルは彼の映画製作のキャリアから導き出されたものだそうです。(3) パヴリコフスキ監督のヨーロッパ各国を渡り歩いたグローバルな視野と、映画製作の幅広い経験、そして故郷を離れたことでかえって純化された祖国への思いが豊かな想像力となって『Ida』に結実し、ポーランド映画史に残る作品たらしめたのでしょう。 歴史を語りなおすということは、映画をはじめとした物語芸術のひとつの役割だと思いますが、直接的にはその時代を体験していない世代がどうアプローチするのかという問いに対するひとつの答えが、この映画にはあります。外側から歴史を検証できる広い視野を持つことと、過去に生きた人々に寄り添う想像力を持つこと、このふたつを両立させることが、歴史を誠実に語るために必要な心構えなのではないでしょうか。 『Ida』は8月2日よりシアターイメージフォーラムにて公開されます。 オフィシャルサイト http://ift.tt/1hd9NsK 予告編 http://ift.tt/SI8mgv 蜂谷智子 (1) http://ift.tt/SI8mgx (2) http://ift.tt/Sa3YWM (3) http://ift.tt/SI8mgy

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2014年5月26日月曜日

[World News #023] カンヌ映画祭にあてられたゴダールからの手紙 http://ift.tt/1nkuJ6U 2014年のカンヌ国際映画祭が閉幕した。 メインコンペの主な受賞結果は別掲の通りだが(#1)、概ね無難な受賞結果に加えて、審査委員長ジェーン・カンピオンが事前に述べていた通り(#2)、パルムドールを受賞した女性監督がカンピオン以外存在しない事実に多少配慮したかの結果に見える。 審査員賞を最年長ゴダールと最年少グザヴィエ・ドーランが分け合ったのも、カンピオンによると意識的なチョイスであったとのことだ。(#3) 映画芸術への長年の貢献者であるゴダールにカンヌからはじめて敬意の証を送ることと、新しい才能の出現を同時に祝福しようというわけだ。 しかし、であるならば、この二人の作品にパルムドールを与えるくらいの英断があっても良かったように思われる。とりわけ、ドーランの作品は批評家からの評判も概ね高く、若く新しい才能に期待する意味でもパルムドールを期待する声が寄せられていた。(#4)しかし、そこまで思い切った選択が許されないのも、ある意味で権威となりすぎてしまったカンヌの現状を率直に反映しているのかもしれない。 (ヌリ・ビルゲ・ジェイランはカンヌ常連作家で、今作はとりわけ評判が高いが、批評家からの作家的評価は二分される。また、フェスティバルとして新鮮味がないのは正直なところだ。ただし、日本ではいまだ一本も彼の作品が正式公開されておらず、実際の所、こうした映画後進国的な国内状況下では同じ土俵に立ってコメントすることは不可能である。) 保守的な現状維持を基本とするフェスティバルの状況では、そのルーティンから逸脱する者の動きが、最も大きな注目を集める。 今回の場合、コンペに作品が選ばれながら、その招待をキャンセルしたジャン=リュック・ゴダールがそれにあたるだろう。 いや、ゴダールはいつだって同じだとも言えるが、いずれによせ、カンヌを欠席する言い訳として彼がジル・ジャコブ(会長)とティエリー・フレモー(ディレクター)に送ったビデオレターが公開された。 「Letter in motion to Gilles Jacob and Thierry Fremaux」(ジャコブとフレモーにあてたビデオレター)と題された9分弱の作品である。(#5) いつものように、ゴダールらしい様々な言葉の引用(ジャック・プレヴェール、ハンナ・アーレントなど)や自作の断片、そして様々な映像に満ちあふれているが、ジャック・リヴェットと共にフランソワ・トリュフォーの写真が長く映し出され、アーサー・リプリー監督による『The Chase』からの映像も引用されている。この作品は第2回カンヌ映画祭のコンペに出品されたフィルムノワールだ。 また、ゴダールの言葉に登場する1968年とは、ゴダールやトリュフォーらヌーヴェル・ヴァーグの作家たちがカンヌ映画祭に乗り込み、フェスティバルを中止に追い込んだいわゆる「カンヌ国際映画祭粉砕事件」のあった年だ。この事件は、やがて起きる五月革命へと波及していった。 以下、このゴダールによるビデオレターで発せられるおおよその言葉を訳出してみる。 --------------------------------- 親愛なる会長、ディレクター、そして同業者たち またしても、私をフェスティバルに招いていただいて感謝します。しかし、ご存じのように、私は映画の配給に関わるのをやめて長いのです。そして、私はあなたたちの思ってもいない場所にいる。実際、私は別の道を歩んでいるのです。時には何年も、あるいは数秒の間、私は他の世界に住んでいます。奇妙な伝導の書の庇護の元に。私は旅立ち、そこで暮らしている。 エディ・コンスタンティーヌ(『新ドイツ零年』):私はもはや、この環境を居心地良く感じていない。時代はもはや1923年ではなく、そして私はもはや警察のバリケードを破った男ではない。拳銃を手に背後で闘った男ではない。生を実感することが、スターリンやその革命よりもずっと重要なことだったのだ。 孤独のリスクとは自らを見失う危険のことだ、そう哲学者は思い込む。なぜなら、真実とは形而上学的な問いを発することだと彼は考えているからだ。そして実際、誰もが形而上学のみを問い続けている。哲学者のロジックとは、「他者」の存在を隠し通す術を問うものだ。それこそがロジックと私たちが呼ぶものなのだ。 モリー・リングウォルド(『ゴダールのリア王』):私の口には心がありません。 私の口もまた、もはや心を持っていない。 したがって、私は風の運ぶところに行くだろう。枯れ葉が風に舞い散るように。 たとえば昨年、私は市街電車に乗った。メタファーとして、そして… 私は戻ってきた。1968年、ハバナ・バーでの借りを返すために。そして今、私は信じている。物事を説明することの可能性のみが、言葉を手に闘うことの言い訳なのだと。…いつものように、私はそんな言い訳など信じていない。…今日、5月21日…これはもはや映画ではない。ただのワルツなんだ、親愛なる会長。目の前に迫った運命に対して、真のバランスを見出すための。 誠意を込めて ジャン=リュック・ゴダール --------------------------------- 大寺眞輔 http://blog.ecri.biz/ http://ift.tt/1knGQPv http://ift.tt/NSy3rx #1 パルムドール:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン「Kis Uykusu (Sommeil D'hiver)」 グランプリ:アリーチェ・ロルヴァケル「Le Meraviglie」 監督賞:ベネット・ミラー(「Foxcatcher」) 審査員賞:グザヴィエ・ドラン「Mommy」、ジャン=リュック・ゴダール「Adieu Au Langage」 脚本賞:アンドレイ・ズヴィヤギンツェフ、オレグ・ネーギン(「Leviathan」) 女優賞:ジュリアン・ムーア(「Maps To The Stars」) 男優賞:ティモシー・スポール(「Mr.Turner」) #2 http://ift.tt/1nIlueY #3 http://ift.tt/1ieP5ZQ #4 http://ift.tt/1nkuJ6V #5 http://ift.tt/1nfuBrD http://ift.tt/1nkuJ6U



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2014年5月23日金曜日

みなさん、こんにちは!現在、開催中のカンヌ国際映画祭も、さまざまな話題を振りまき、佳境を迎えています。今回は、自主制作映画が世に送り出されるまでの道のりについて、考えてみたいと思います。大手のスタジオに所属しない若手の映画制作者たちは、将来のキャリアについてどう青写真を描くことができるでしょうか。そして、キャリア・パスのステップをどう切り開くことができるのでしょうか。 自主制作の映画に関わる人向けのネットワキーング・サイト、IndieWireでは、この5月に自身初の長編映画のブラックコメディ、"5150 Mall Cop" が公開されたデイヴィット・グリーンスパン(David Greenspan)監督に、 “自主制作映画を世に送り出すまでの、規格外の10のステップ (10 Unconventional Steps to Get Your Indie Film Out in the World)” を聞いています。 グリーンスパン監督は、"Bean Cake (おはぎ)” で、2001年開催の第54回カンヌ国際映画祭の短編映画部門で、グランプリにあたるパルムドール(Palme d'Or)を受賞しています。全体主義の気運が高まる1930年代の日本を舞台に、コミュニティと個人の適合・不適合という普遍的なテーマをシンボリックに描いた"Bean Cake” は、同年のアメリカン・ショート・ショート・フィルムフェスティバル東京でも上映され、日本でも話題になりました。グリーンスパン監督は映画制作を志す前、ハーバード大学で経済学と東アジア研究を専攻しています。 "Bean Cake” は、グリーンスパン監督がハーバード大学を卒業後、南カリフォルニア大学(USC)に進み、美術の修士号を取得したときに取り組んだ卒業製作でした。学生作品のパルムドール受賞はUSCにとっても初めての快挙でした。世界的に非常に権威のある映画祭で、卒業制作の作品が認めらるという、輝かしい経歴を見れば、多くの人は、彼の順風満帆なキャリアを期待するでしょう。確かに彼はパルムドールの受賞をきっかけに、プロデューサーに声をかけられます。しかしその時に彼が出した "正統派コメディ” の脚本は、「他にもっと面白くて、独創的で、個性的な企画はありますか」と丁重に、しかしいともあっさり突き返されてしまいます。 それでも、"5150 Mall Cop" の基になる友人の脚本を提出し、好反応を得え、キャスティング、撮影も始まり、グリーンスパン監督は入りこんだ憧れのショービジネスの世界に圧倒されながらも、プロの映画監督への道を意気揚々と進もうとします。しかし、挿入歌の使用権の費用や配給先の確保に苦労が続き、「時代を代表するような映画監督になるというハリウッド・ドリーム」も次第に凋みかけていきます。 作品の大規模な公開を諦め、彼は、日本でも放送されている人気ドラマ『グレイズ・アナトミー―恋の解剖学(Grey's Anatomy)』で映像編集担当として働き始めます。そして、ドラマ制作で培った編集技術を生かし、友人のバンドに音楽を頼み、そして新しいプロデューサー担当を得、ようやく自主製作映画の配給を中心に行うインディカン・ピクチャーズ(Indican Pictures)から"5150 Mall Cop" の公開にこぎつけたのは、パルムドールから13年目の今年、2014年の5月でした。一方で、グリーンスパン監督はドラマ制作も続け、今ではディレクターとして人気ドラマ『グレイズ・アナトミー』の中枢を担っています。 制作者にとって、配給業者を見つけることは、おそらく最大の難関の一つでしょう。どんな作品も配給してくれる人がいなければ、日の目を見ることがありません。興業ビジネスから距離おいて、社会の隙間、ニッチを埋める文化・芸術活動の重要性を確認しつつも、制作者が自身の生活を支える経済的基盤やキャリアの継続・成功という問題に直面、葛藤している現実があります。 将来の自分のキャリアを思い描くとき、お手本となるようなロール・モデルを見つけるというのはひとつですが、おそらく若手の映画制作者たちがグリーンスパン監督の10つのステップをそのままなぞることは難しいでしょう。まず、卒業制作で国際的な映画祭で賞をとることも難しいでしょうが、あるいは、彼がその後に経験する困難を同じように体験するとも限りません。そもそも自主制作映画、独立した文化・芸術活動の世界において、実際にはキャリア・パスは十人十色、だれしもが「規格外」なのかもしれません。 それでも、世界各国で放映されている人気ドラマと、10数年越しに公開にこぎつけた自主制作長編作品という、二つのキャリアを積み重ねて来たグリーンスパン監督を作った10のステップから、何か自分に引きつけて励みにできることがあるとするならば、仕事やキャリアに関する柔軟性と、「続けること」かもしれません。 IndieWire: 10 Unconventional Steps to Get Your Indie Film Out in the World http://ift.tt/1o4B7AY Indican Pictures: "5150 Mall Cop" 予告編 http://ift.tt/1pa9jsy Film Threat: Bean Cake http://ift.tt/1gUGhha

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2014年5月22日木曜日

Rob Pattinson Talks to Le Nouvel Observateur while promoting "The Rover" and "MTTS" in Cannes

[World News #021] ロバート・パティンソン、オリヴィエ・アサイヤスの次回作に出演 Nouvel Observateur(フランスの情報誌)がロバート・パティンソンへ行ったインタビューによって、彼がオリヴィエ・アサイヤスの次回作に出演することが明らかとなった。(*1) Nouvel Observateurによるインタビュー http://ift.tt/1i71Fu9 ロバート・パティンソンによると、次回作は『Idol's Eye』という題名のギャングスター映画で、ある強盗グループがマフィアのドンの息が掛かった質屋に盗みに入るという、実際にあった話しをベースとしている作品らしい。どうやら彼の話を聞く限り、オリヴィエ・アサイヤスが2007年に『プレイボーイ』誌に掲載された、実際の出来事から着想を得て書かれた記事を映画化するという、元は『Hubris』と呼ばれていた作品のようだ。(*2)去年から噂されてはいたが、どうやら名前が変更された模様。ついにスクリプトが完成し、11月から撮影が開始される、と語るロバート・パティンソンはスクリプトのことを絶賛している。今回の作品はオリヴィエ・アサイヤスがすべてアメリカで制作するらしく、3000万ドルもの大規模な予算が掛けられているようだ。(*3) ロバート・パティンソンは今年のカンヌでコンペティション部門に出品された、デイヴィッド・クロネンバーグの『Maps to the stars』に出演している他に、プレミア上映されたオーストラリア出身のDavid Michod監督による『The Rover』という作品にもガイ・ピアースと主演男優として出演しており(*4)、近年、注目が集まりつつある俳優だ。Nouvel Obsevateurとのインタビューでも本人が述べているように、彼のキャリアの転機はすべて、デイヴィッド・クロネンバーグの『コズモポリス』から始まったという。ロバート・パティンソンが『トワイライト』という娯楽映画から、近年の映画作家の作品に出演するようになったのは、4、5年前から映画作家たちとコンタクトを取り続けた努力が今になって身を結んだようだ。 オリヴィエ・アサイヤスは日本で2年前に東京国際映画祭に『5月の後』が上映されたのはまだ記憶に新しいが、今年のカンヌ映画祭のコンペティション部門に出展された『Sils Maria』の行末も勿論気になるところである。 今年のカンヌで注目を集めている二人が、新作に共に携わっているのは期待と好感が持てるタッグと言えるだろう。今後の続報に期待。 (*1)http://ift.tt/1pdlsgp (*2)http://ift.tt/1i71Fuf (*3)http://ift.tt/1m4xgRe (*4)http://ift.tt/1t17dxj

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2014年5月21日水曜日

[World News Extra #002] オキュラス・リフトがやってくる! 2014年6月号の米「WIRED」表紙にオキュラス・リフト(Oculus Rift)開発者パーマー・ラッキーが登場しています。(#1) キャプションにはこう書かれている。 「この少年は、まさに変革を起こそうとしている。 ゲームに、映画に、テレビに、デザインに、医療に、セックスに、スポーツに、アートに、旅行に、ソーシャル・ネットワーキングに、教育に、そして現実に。 オキュラス・リフトがやってくる。 それは、君の心をぶっ飛ばすだろう。」 オキュラス・リフトについては、boidマガジンに掲載された『アップストリーム・カラー』についての私の文章の中で少し触れてあります。無料記事です。 http://ift.tt/1sSCS1T オキュラス・リフトは、3Dゲームなどでの使用を前提に開発されている装置で、要するに装着したゴーグルによって視界全体を覆い、目前に設置されたディスプレイに3D映像を投影する仕組みです。 しかも、ヘッドトラッキング機能によって、装着者が頭を動かせば、その方向に映像もまた移動する。これによって、そのバーチャルな映像世界内部にあたかも本当に自分が入り込んだかのような没入感を感じさせる仕組みなのです。 こうしたVRゴーグルの発想自体は決して新しいものではありません。SFなどのフィクションでは繰り返し描写され、実際の機器としても、おそらく1990年代頃には実験的な物がありました。 オキュラス・リフトがそれらに対して優れているのは、何よりディスプレイの解像度、そしてヘッドトラッキング機能の精度の高さです。つまり、同じ発想を技術的に洗練させることによって、装置を実用レベルにまで高めたものであるわけです。 しかし、そこにこそ変革への鍵がある。 「WIRED」が大々的にぶち上げたように、これがゲームばかりではなく、映画を、そしてそれ以上のものを変容させる可能性があるのであれば、私たちもまた無関心でいることは出来ないでしょう。 もちろん、それが3Dテレビの二の舞いに終わる可能性も残されていますが。 オキュラス・リフトは、最近、Facebookによって約20億ドル(およそ2000億円)もの巨額で買収されたことでも有名です。 この買収騒動は、Kickstarterの根幹を揺るがすものとしても話題になりました。 また、CTO(最高技術責任者)として迎えられたジョン・カーマック(「Doom」開発者として知られる)がZeniMaxから非難された事件も記憶に新しいです。 大寺眞輔 http://blog.ecri.biz/ http://ift.tt/1knGQPv http://ift.tt/NSy3rx #1 http://ift.tt/1lJp7zY



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2014年5月19日月曜日



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[World News #018] 「サケボム、サケボム、サケサケボーム!!」 こんな掛け声とともに、アメリカで広まっている日本酒×ビールのカクテル「サケボム」の楽しみ方をご存知でしょうか!? 仕組みは至って単純で、ビールが入ったジョッキに渡した割り箸2本の上に日本酒を注いだおちょこを乗せ、冒頭の掛け声を合図にテーブルを思い切り叩きます。すると、振動で割り箸がはずれ、おちょこが爆弾のようにジョッキに落ちることで、「サケボム」一丁出来上がり! 急速に酔いが回るので注意が必要ですが、パーティーなどで場が盛り上がること間違いなし。アメリカでは日本酒があれば必ずと言っていいほど、見受けられる光景だそうです。(*1) さて、前置きが長くなりましたが、このカクテルの名前を冠した日米合作のロードムービー「サケボム」(原題:Sake-Bomb)の全国ロードショーがいよいよ今月24日から始まります! 監督は2000年に渡米後、岩井俊二、紀里谷和明両監督らのもとで研鑽を積み、14年目にして本作で長編デビューを果たしたサキノジュンヤさん(33)。「サケボム」は、世界の才能が集う登竜門で、米三大インディーズ映画祭の一つに数えられ、テキサス州で毎年3月に開催されるSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)映画祭で昨年、プレミア上映されたのを皮切りに、ロサンゼルス・アジアン・パシフィック映画祭で最優秀脚本賞、サンディエゴ・アジアン映画祭で最優秀作品賞を受賞するなど快進撃を遂げました。 とはいえ、完成、公開に至るまでの道のりは決して平坦なものではなく、アメリカでは、「総人口の数%にしか満たないアジア系を主役にしても、誰も見向きしないという固定概念が強い」のが現実。(*2)その意味で、突然、別れを告げていなくなった恋人を追いかけ、日本の片田舎の酒蔵から生まれて初めてアメリカへやってきたナオトと、その恋人探しを手伝う羽目になったひねくれ者の日系アメリカ人のいとこ、セバスチャンの凸凹コンビによる珍道中を描いた本作は、同国におけるアジア人の姿を真正面から捉えた意欲作と言えるでしょう。 こうした設定の背景には、在米14年に及ぶサキノ監督の実感がこもっており、「アジア系移民が観ても面白いものを作ること」を意識。また、人種を超え、「アメリカ人を笑わせること」も目標の一つで、その願いは見事、全米各地の上映でかなえられたそうです。(*1) 日系アメリカ人のジェフ・ミズシマさんが脚本家を務め、日本からはプロデューサーの妹尾浩充さんのほか、俳優の濱田岳さんらが参加。決してネイティブではない濱田さんが無事、ほぼ全編英語のセリフを乗り切り、アメリカで洗礼を受けた本作の逆輸入が、日本市場においてもカンフル剤の役割を果たすことが期待されます。 公開を記念して15日、都内でサキノ、紀里谷両監督らによるトークイベントが行われ、サキノ監督は、もともと1億円と見積もっていた予算が、アジア人2人組が主演するといったハードルの高さから、最終的に2000万円となるに至った経緯を明かしました。派手なシーンをカットし、会話重視の構成にしても、人件費に響くのを避けられず、「映画学校時代のネットワークがあったからこそ実現できた」と言います。 紀里谷監督も、技術面の難易度が下がり、インディー・フィルムメーカーにとってのチャンスが広がる一方で、日本の映画産業に新しいことにチャレンジするための研究開発(R&D)予算が少ないことを挙げ、「洋画、邦画と言っていること自体がおかしく、括りからの脱却が大事」と指摘。これからのクリエーターに対し、国内市場にとどまらず、「ロマンチシズムではなく、死活問題として外を見ていかないと」と、海外も視野に入れた作品づくりの必要性を強調しました。 トークイベントでは、質問タイムに参加者が突如、持参した「サケボム・セット」をゲストに振る舞い、サキノ監督(写真右)自らサケボムを実演してみせるサプライズも。会場の空気が一気に和み、酒と旅と映画は心をつなぐとの信条を、筆者もいっそう深めました(笑) イベントは外国映画の魅力を伝える企画の一環で、会場となった西麻布のダイニング・バー「VERANDA」が100日間限定で「CINEMA LOUNGE 100」としてオープン。場内にはハリウッド・スターらのオートグラフが展示され、毎週火曜に映画監督やプロデューサーら多彩な顔ぶれによるトークイベントが行われています。フードやドリンク・メニューも作品とコラボしており、つい目移りしてしまいそうです。写真では、お気に入りスターのコースターを並べてみました。特設ラウンジは、6月5日まで。(*3) バック淳子 http://ift.tt/1gY2Yvd <筆者プロフィール> 大学卒業後、記者として勤務。国際報道などに携わる。この夏よりロサンゼルスに映画留学予定。 <過去の記事> [World News #008] ~ブリット・マーリングの魅力と魔力に迫る!~ (*1) 「サケボム」プレスシート (*2) 「アメリカ映画の暗号を読み解く ~人種のカオス編~」(越智道雄著、アルク) (*3) http://cl-100.com/

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2014年5月18日日曜日

[World News Extra #001] カンヌ上映後直ちにVOD配信された話題作! アベル・フェラーラの最新作『ウェルカム・トゥ・ニューヨーク』が開催中のカンヌ国際映画祭で非公式上映された後、直ちにフランスでVOD(Video on Demand)配信された。(#1) フランスでは、映画館で公開後数ヶ月はストリーミング配信できない決まりがあり、これをバイパスするため、製作会社Wild Bunchはフランスで同作を劇場公開しないことに決め、同社が運営するFILMOTV(#2)やiTunesなどでカンヌでのプレミア上映直後に配信開始するというスキャンダラスな方法を取った。 フランスではVOD配信はまだ映画の主なリリース方法として認められておらず、映画館からの抵抗も強い。しかし、Wild Bunchはその新たな可能性を実験するため、マイナーな作品ではなく同社が製作した今年最大の話題作の一本をVODオンリーで配給するという大きな賭に出たのだ。 Wild BunchはVODという呼称を好まず、これをEcinemaと呼びたいと述べている。(#3)現在、フェラーラへのインタビュー映像が特典で付いて、6.99ユーロ(およそ1000円)で視聴可能だ。 フランスの映画作家やプロデューサーらからなる組合ARPは、Wild Bunchの試みをサポートするとの声明を発表している。インディペンデント作品や作家映画を多くの観客に届けるための多様な試みは歓迎されるべきだ、とのことだ。(#4) 『ウェルカム・トゥ・ニューヨーク』は、フランス社会党に所属し、IMF専務理事を務めたドミニク・ストロス=カーンのスキャンダルにインスパイアされた作品である。同氏は2012年のフランス大統領選における有力候補とも目されていた大物政治家だが、訪問中のニューヨークで強姦容疑により逮捕され失脚した。 主人公はジェラール・ドパルデューが演じている。監督のフェラーラも含めた顔ぶれもまたスキャンダラスだ。共演は、ジャクリーン・ビセット。 大寺眞輔 #1 http://ift.tt/1lQ5E2r http://ift.tt/Ti3zD2 #2 http://www.filmotv.fr/ #3 http://ift.tt/1jfBQZW #4 http://ift.tt/1mGkIR4 #5 http://ift.tt/Ti3wXH



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2014年5月16日金曜日

[World News #017] 中国とともにあるハリウッド映画の現在 近年、どんな商業においても、中国を無視することはできなくなりました。もちろん、映画も例外ではなく、ハリウッド映画は完全に中国にすり寄っているように見えます。 現在13億の人口を抱える中国において観客を得ることは、商業的に成功する近道であるのに間違いないでしょう。 そもそも映画は商業として成立したものなので、興収を上げる前提で作られるのはもっともですが、それにしてもそれが加速しているように感じられます。 近年のハリウッド映画では、特に3D映画において、中国へのサービスショットや、中国公開に配慮した作品制作が増えています。 なぜ3D映画かというと、中国では随分前から映画館での上映をビデオカメラで撮影した海賊版が出回っており、映画館に人が入らずなかなか興収が上がらないことがありましたが、3D作品は、海賊版では3D効果が得られないということで、それまで海賊版で済ませていた人たちも映画館に行くようになったからです。(*1) たとえば「パシフィック・リム」は、日本の特撮モノに着想を得た作品ではありますが、終盤まで活躍するのは日本ではなく中国のロボットです。 また、「ワールド・ウォーZ」に、台湾で発生した狂犬病が拡大するという場面があるのですが、もとは台湾ではなく中国だったらしいです。「それはまずい」と会社の上層部が差し替えたとか。(*2) 先にも述べたように、映画は商業芸術なので、興収を上げてもとを取らないといけない。 けれど多かれ少なかれ、作家の意図が捻じ曲げられたり、作品が損なわれるとなると、話は別です。 「映画はビジネスであるか、アートであるか」というのはどの時代にもついて回る、バランスをとることの難しい問題ですが、一部ではありますがハリウッドの、映画の作品性が失われようとしている今、もう一度考えてみるべきなのかもしれません。 つい最近のこと、インドではヌードのシーンが禁止されておりますが、スティーブ・マックイーン監督『それでも夜は明ける』(2013) は、作品自体の良さが認められ、特別に差し替え無しで公開されたそう。(*3) このように、いつか中国のように検閲の厳しい国であっても、文化の壁を越えて作品の良さを語れるようになることを切に願っています。 則定彩香 *1 http://ift.tt/1f58jFo *2 http://ift.tt/1lGsdqd *3 http://ift.tt/1gQGcKK



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