2014年9月13日土曜日

The Best And Worst Of The 2014 Venice Film Festival

[World News #096] 第71回ヴェネチア映画祭結果発表 9月6日、世界三大映画祭の一つであるヴェネチア映画祭が閉幕しました。今回の映画祭では、フランスの作曲家であるアレクサンドル・デスプラ氏を審査員長に、『ラスト・エンペラー』で皇后を演じたジョアン・チェン、『レザボア・ドッグス』『パルプ・フィクション』といったタランティーノ初期作品の名優、ティム・ロスなどを審査員に迎えました。 最高賞である金獅子賞にはスウェーデンの映画監督ロイ・アンダーソンの『A Pigeon Sat On A Branch Reflecting On Existence』が選ばれました。発表前はオープニング作品であったアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の『Birdman』が最有力とされていましたが、予想に反して「もう一羽の鳥」である『A Pigeon』に賞は与えられ、『Birdman』は無冠に終わりました。『A Pigeon』は哲学的かつ不条理な作品でありながらコメディの要素があり、主にモンティ・パイソン、ジャック・タチ、ラリー・デヴィッドの影響を受けていることがわかります。 アンダーソン監督は受賞後のインタビューで「私が最も影響を受けたのはヴィットリオ・デ・シーカ(自転車泥棒の監督)である」と答えました。彼の作品にはシーカ監督のようなネオ・リアリズム的要素はないので、これは一見奇妙なことに思われますが、彼の作品製作の信条である「陳腐なものに詩を見つけよ」を考えると、シーカ監督の影響を受けている事がわかります。 銀獅子賞はロシアの監督アンドレイ・コンチャロフスキーによる、ロシアの人里離れた村に住む人々をそのまま俳優として、彼らの生活を追った映画『The Postman’s White Nights』でした。 審査員大賞は『アクトオブキリング』で一世を風靡したジョシュア・オッペンハイマー監督の『The look of silence』でした。『アクトオブキリング』ではインドネシアの大虐殺で1,000人を殺した加害者側の人物を追いましたが、本作品ではその虐殺で兄弟を殺した人物を探す男という、被害者側の人物を追っています。審査員特別賞にはある男の子と犬の交流を描いたカーン・ミュデジ監督の『Sivas』が、最優秀脚本賞には『Ghesseha (Tales)』が選出されました。 主演男優、女優賞は、生まれてきた子供についての男女の意見の相違をめぐるサスペンス、『ハングリーハート』に出演したアダム・ドライバーとアルバ・ロヴァケルに与えられました。新人俳優賞である、マルチェロ・マストロヤンニ賞には、『La Dernier Coup de Marteau』で、ガン患者である母との二人暮らしで、未だ会ったことのない指揮者である父の存在を知り、彼に会いに行く息子を演じたロメイン・ポールが選ばれました。 日本からは塚本晋也監督の『野火』が出品されましたが、無冠に終わりました。 今回は全体的に、アレクサンドル・デスプラ審査委員長が「政治的、哲学的、詩的な作品を選びました」と述べたように「人間」を描いた作品が多く選出されました。特筆すべきは、2年連続でドキュメンタリー映画が賞を受賞したことです。以前はオリゾンティ部門の一つであったドキュメンタリーが大きなプレゼンスを持つようになったことは注目すべきであり、今後の動向が気にかかります。また、本映画祭において、スティーブン・オカザキを監督に迎え日本の名優三船敏郎のドキュメンタリーが製作されることが発表され、大きな期待が寄せられています。 文責:近藤多聞 引用元 The Best And Worst Of The 2014 Venice Film Festival | The Playlist http://ift.tt/1tHCdBY

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