2014年9月18日木曜日

[World News #098] デヴィッド・フィンチャー『ゴーン・ガール』 インタビューからみる彼の魅力 9月26日から10月12日にかけて行われたニューヨーク映画祭において、オープニング作品をつとめ話題となっていたデヴィッド・フィンチャー監督最新作『ゴーン・ガール』が、12月12日に日本でも公開されることが決まっている。 本作の主演を務めるのはベン・アフレック、脚本はギリアン・フリンのベストセラー同名小説をもとにしている。これまでのフィンチャーの作品と同様に、公開前には作品についての情報やヴィジュアルがほとんど漏れてこないが、むしろ期待が高まっている。一足先にNY映画祭でお披露目された本作の評判は上々だ。 彼は、Playboyの10月号で自分の考えを知ってもらいたいと、インタビューを受けている。(注) この記事をもとに、デヴィッド・フィンチャー自身の考え方、彼の作品の魅力について考えたい。以下に、監督のコメントを引用する。 ソニー・ピクチャーズで『ドラゴンタトゥーの女』、21世紀FOXでは『ゴーン・ガール』を撮った彼だが、ハリウッド・メジャーのような大手のスタジオの在り方は人々の映画鑑賞にいい影響を与えないとしている。彼は「スタジオは映画を見る人を、群集心理的に、家畜小屋に入れられた牛にしてしまう」と言う。同調することを求め、観客を画一化してしまう装置だというのだ。 「僕の映画に携わる人には、もしスタジオで映画を撮ることが、マクドナルドのビッグ・マック・バーガーを作るようなものであるなら、僕にそんなに一生懸命ついてくる必要はない、と言わねばなるまい。『ドラゴンタトゥーの女』はビッグマックではないし、『ゴーン・ガール』も違うんだから。」 「僕は僕に対して、いつも責任を持つようにしている。これが人々の求める作品になるのかどうか、それから、自分の作りたい作品を台無しにしてしまうのか。気を配るところが多いんだ。あとは、監督である僕や、作っている人間に勝とうなんかしてくる登場人物は嫌いだから、コメディは好きじゃないんだ。媚びへつらわれるは好きじゃない。僕自身が媚びを売るのもね。」  確かに彼の映画は、感情移入させて同意を求めるようなものではない。彼の映画は、映画の中でおおよそ完結しているといっていいだろう。ミステリーや殺人ものが多いのは、感動させまい、一様には同調させまいとしているのだといえるし、その傾向については本人も認めている。 怖い、汚い、不快だと感じざるを得ない描写満載の『ドラゴンタトゥーの女』は、評価が人によってはっきりと分かれるところだろう。そうして見たもの全員に強い印象を与え、決して単に「面白かったね」「気持ちよかったね」では終わらせないのが、そしてその真っ二つに割れた評価にも責任を持てるところが、デヴィッド・フィンチャーのほかの監督とは一線を画すところであろう。 何か怖いものはあるか、と尋ねると、「自己満足」と。周りに流されることなく、自分と自分の生み出す作品について非常に厳しく、だからこそ自信をもって世に送り出している監督である。そんなデヴィッド・フィンチャー監督最新作『ゴーン・ガール』、12月の公開が待ち遠しい。 則定彩香 横浜国立大3年 注 http://ift.tt/1DgbV0l 『ゴーン・ガール』公式ホームページ http://ift.tt/1mf0xwt

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