2014年12月7日日曜日

[World News #138]『プレジデント』とモフセン・マフマルバフ監督 ヨーロッパで亡命生活を続けるイラン人監督モフセン・マフマルバフの最新作『プレジデント』。ヴェネチア映画祭オリゾンティ部門オープニング上映作品、そして東京フィルメックスでは観客賞を受賞した本作は、2015年日本でも公開予定です。本作の映像、ストーリーそして監督の想いは多くの映画ファンをうならせました。 “舞台は老独裁者に支配されている架空の国。 ある日、クーデターが勃発。妻と娘たちはいち早く国を脱出してしまい、残された独裁者は幼い孫を連れて逃亡の旅に出る。ボロボロの服を着て旅芸人に扮した独裁者は、行く先々で自分の圧政のために苦しんできた人々を目撃する......。 大勢のエキストラを動員した冒頭のクーデターの場面を筆頭に、マフマルバフの演出力が全面に展開する。イラクのフセイン政権崩壊、アラブの春、ウクライナ紛争等々、近年起こった様々な事件を想起せずにはいられない力作である。”(引用:http://ift.tt/1wg4dCF 今回は、ヴェネチアでの会見とインタビューからマフマルバフ監督の『プレジデント』にかけた想いをお伝えします。 「本作の撮影はグルジアで行いましたが、それは撮影許可がおりたとりう理由のためであり映画のストーリーはグルジアとは無関係です。『プレジデント』が舞台となっているのは架空の国ですが、それはこの映画が世界中の今までの、現在の、そしてこれから誕生するであろう独裁政権の縮図だからです。大人は皆、どんな人物であろうと純粋な心をもってこの世に生を受けます。その純粋な子供たちの中には大人になる過程で神になるチャンスを得る人がいます。彼らはまるで神がやるかの様に、他者の運命をも支配しようとします。私たちの主人公もその神の一人ですが、突然神の地位から落ちてしまいます。老いた”プレジデント”は突然力を失った神の様な存在なのです。 本作は独裁政権をテーマとしている以上に暴力にも焦点をあてました。本作における暴力とは2つあります。それは独裁者が使う暴力、そしてもう一つは独裁者に反抗する革命がもつ暴力です。私たち人間の暴力は”地球”に影響を与えていると信じています。そしてこの暴力は日々増加しているように思われます。今現在の暴力の何十倍もの暴力が地球を支配した光景を想像してみてください。暴力に反逆できるのはたった一つしかありません。それは文化です。現在地球上を支配している暴力に対して、一人のガンジーと一人のマンデラでは足りません。私たちには彼らの思想を全人類に広める責任があります。 『プレジデント』のアイディアは8年前に遡ります。私は8年前、アフガニスタンのアマーヌッラー・ハーンのかつての宮殿に立ちその窓からカーブルの街を眺めていました。その時です、もしここに立つ”プレジデント”が孫を楽しませる為に街の電気をスイッチ一つで消したらどうなるだろうかと想像しました。それから数年後、緑の運動(2009年イラン)やアラブの春など世界中で国民による反乱が相次ぎました。それらのニュースを見て私は、アフガニスタンで頭をよぎった閃きを今一度深く掘り下げたくなりました。なぜ私たちは常に世界中のどこかで同じ様な問題を抱えているのだろうかと自問しました。独裁政権、大量虐殺そして反逆者たちによる革命、そして再び新たな独裁政権。この連鎖に終わりはあるのでしょうか。独裁者が独裁者となり得るには、彼一人の力ではなく、彼の取り巻きの存在が大きいのです。彼らは”プレジデント”にごまをすり、彼の写真を壁に飾ります。それに気づいていない私たちは民主主義を求めて”プレジデント”だけを代えますが、しかし代わったのは”プレジデント”ただ一人だけです、それでは民主主義になったわけではありません。独裁者の取り巻きそして全国民の意識も代わらなければなりません。」 by Sevin http://ift.tt/1jB6EEk 『プレジデント』:http://ift.tt/1wg4e9A 会見&インタビュー:http://ift.tt/1vsnw4A) アマーヌッラー・ハーン:http://ift.tt/1wg4dCL

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