2014年12月14日日曜日

Hope For Film

[World News #142] 産業の未来ーー8つの予言ーー  テッド・ホープ氏はインディペンデント映画のプロデューサーです。氏が製作に携わった作家としては、アン・リー(『ライフ・オブ・パイ』)、ハル・ハートリー(『シンプルメン』『愛・アマチュア』)、ミシェル・ゴンドリー(『エターナル・サンシャイン』『ムード・インディゴ うたかたの日々』)などが名を連ねます。    氏は自身のブログ(※1)でインディペンデント映画を中心に、産業についての先駆的な予測や考察を発信してきました。今回紹介するのはIndie Wireに掲載された氏の記事「映画の未来についての8つの予言」です。この記事からは、ソーシャルメディアや、動画配信の存在感の大きさ、また大手企業のこれまでの経営に対してハッキングという行為がいかに脅威的か、ということなどが感じられると思います。Indie Wireに掲載されていることからもわかるように、氏の立場はインディペンデントなーーこの場合、予算が少ない作家という意味合いが大きいでしょうーー映画の作り手は、こうした新しいメディア、産業システムの変容を「利用」することで、自身の製作に活かすべきだというものです。  とはいえ、日本と米国での産業環境の違いも考慮に入れ、こうした予測は鵜呑みにできるものではなく、また筆者は必ずしもホープ氏の予測に全面的に賛同する訳ではないということも付け加えさせてください。しかしながら同時に、筆者の感触としては、特にウェブを積極的に利用しようとする映画人には、この記事で語られている姿勢の一部は、先駆的であるというよりは、ある種の定説であるのではないかとさえ思います。そういう意味では、日本で暮らす私たちにとっても、無視できない動向について語られているのではないかと思います。 1、非営利的な興行の体制が、今後、地域を問わず映画産業を先導するだろう。  ーー産業の抜本的な改変が迫っている。特定の国が主導するのではなく、世界規模で起こるだろう。サンダンス映画祭、BFI(英国映画協会)、アジア諸国、ラテンアメリカ… 各国でこの動きは始まっているーー 2、大手産業はEメールの内容に気を使わざるをえなくなる。 ーーウィキリークス、スノーデン、そして今回のソニーのハック事件…。業界大手の社員マニュアルには、メールでの言葉の使い方についての細かい指導が加わることになるだろうーー 3、観客は映画を見ながらツイートし、スクリーン上にそれらが表示されるようになる。 ーーもちろん、これを受け入れられない人もいるだろう。映画は神聖なものであるのだから。しかし、これをビジネスにして、映画館側が資金を得るという可能性もある。中国ではそのような動きも始まっているようだーー 4、シネフィルにとって、DVDを購入することは「クール」な行為とみなされるようになる。 ーー音楽産業でアナログレコードが辿ったように。ある種のファッションとしてーー 5、中編作品が作家にとっても、観客にとっても一般的なものになるだろう。 ーー我々には時間がない。観客にとって、70分という尺は、かつての90分映画がそうであったように、魅力的な上映時間となるだろうーー 6、米国での劇場公開と同時にインターネット上での動画配信(SVODなど)をする体制が増加するだろう。 ーーWeinstein社(タランティーノなどの作品を配給する独立映画会社)が「St. Vincent」でこの動きを見せている。海賊版の流通を封じ、ある種のブランド化の効果もあるだろうーー 7、ウェブ上では複数作品の一括配信が進むだろう。 ーーSVOD配信は、例えば25作品を同時に配信するような方向に進むだろう。消費者にわかりやすい選択肢を与えるためにーー 8、GoogleやApple、あるいはAmazonは、制作会社やスタジオを買収するだろう。  ーーGoogle、Appleなどの新しい産業は、資産運営や、物資の管理の方法が非常に優れている。映画の流通システムを考えるとき、こうした会社が映画会社よりも運営面で勝ってしまう可能性があるーー 引用元記事:http://ift.tt/1zImqId ※1 ホープ氏のウェブサイト:http://hopeforfilm.com 文責: 井上遊介

from inside IndieTokyo http://hopeforfilm.com/

via IFTTT

0 件のコメント:

コメントを投稿