2014年12月10日水曜日

«White God», et un chien vivant après elle

[World News #140] カンヌの「ある視点」部門グランプリ受賞作品 サミュエル・フラーの“White Dog”ならぬ、コーネル・ムンドルツォの“White God”、アメリカとフランスで公開へ    今年のカンヌでは2匹の犬が観客に強い印象を残した。1匹はジャン=リュック・ゴダールの『さらば、愛の言葉よ』に出てくるゴダールの愛犬、ロクシー・ミエヴィル。そして、もう1匹はコーネル・ムンドルツォの“White God”に出てくるヘイゲン(兄弟犬、ボディとルークによって演じられている)。いずれの3匹とも、パルム・ドッグ賞を獲得している。  “White God”は政府が純血犬を保つために、雑種犬を飼う世帯に対して、租税を徴収するという事態となり、少女リリーの愛犬ヘイゲン(ラブラドールの雑種)は、彼女の父親によって強引に街へ捨て去られる。街をあてもなく彷徨っていたヘイゲンはほどなくして他の雑種犬たちと共に捕らえられるが、自分たちを虐げた人間たちに復讐すべく、反旗を翻すといった物語のようだ。(*1)  本作はハンガリーの映画監督、コーネル・ムンドルツォがJ.Mクッツエーの『恥辱』からインスピレーションを経て作られたものらしく、(*2) 映画のコンセプトと題名がサミュエル・フラーの“White Dog”(『ホワイト・ドッグ 魔犬』(1982))と非常に似ていることから、各方面で対比として頻繁に参照されている。しかし、両者とも人種差別を犬というメタファーに置き換えて描く、社会風刺映画の側面を持ち合わせているものの、全く異なる内容である。(*1) (*3)  また、その物語の内容から『猿の惑星:創世記』なども思い浮かばせるかもしれないが、“White Dog”ではCGは一切使われておらず、また犬たちは人間たちのように喋ることもない。何より、200匹の犬が無人と化したブダペストの街を荒々しく駆け抜けていく映像は圧巻とのこと。その光景は予告編で垣間見られる。 “White God”予告編 http://ift.tt/1IxXhUI  元カイエ・デュ・シネマ編集長のジャン=ミッシェル・フロドン氏は: 「この映画が真の意味で成功しているのは、やはりセンスと感性の巧みさにある。コーネル・ムンドルツォはフレームとリズム、そして距離に対して、力強く、注意深いセンスを有している。彼は一匹の犬の孤独なレースや、犬の群れが街を荒らす軍隊へと変わる姿と同じくらい、リリーを演じる若き役者、Zsófia Psottaの顔と身体もよく映している。ブダペストをラブラドールの高さから撮影することで、彼は人間たちを驚く明敏さによって再発見している。まるでエネルギーが川のように、天井がない監獄へと変貌した街のあいだや、夢幻的な場所、戦場を流れていく。」(*4)  本作はIndieWireやカイエ・デュ・シネマから、好評を博しているが、些か否定的なLes inrocksの見解と照らし合わせると、どうやら作品の特に後半部分、犬たちの反乱パートから興味深くなるような見解が多く見当たる。それに対して、前半部分はLes inrocksのSerge Kaganski氏によれば、退屈でありふれた犬と人間との関係が目立つとのこと。しかし、後半はヒッチコックの『鳥』やアベル・フェラーラの『ボディー・スナッチャーズ』を彷彿とさせる思いがけない怪作になるという。(*3)  IndieWireやカイエ・デュ・シネマからも、一見の価値がある作品としてプッシュされている、コーネル・ムンドルツォの“White God”。(*5) (*6) 監督自体、あまり日本では馴染みがないかもしれないが、2008年にカンヌ映画祭で彼の“Delta”という作品が国際映画批評家連盟賞を受賞している。願わくは、いつかゴダールが描く「犬」と比べてみたいものである。 「街中を駆ける犬というのは、美しい。特に、コーネル・ムンドルツォが撮影しているときは。」(*4) 楠 大史 http://ift.tt/1ieyRzU (*1) http://ift.tt/1AdFbkX (*2) http://ift.tt/1rUZTS0 (*3) http://ift.tt/1vdkbXd (*4) http://ift.tt/1GakWXc (*5) http://ift.tt/1AdFbl1 (*6)

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