2014年12月18日木曜日

NED RIFLE

[World News #145]ハル・ハートリー監督の新作がこの春にVIMEO ON DEMANDで先行配信されるそうです。 今年、日本未公開作を含む特集上映が全国で行われ、すでにDVDも発売されるなどしてハル・ハートリー監督は再度その名を広めました。そして今年、彼の新作『NED RIFLE』がトロント国際映画祭でプレミア上映されました。この新作『NED RIFLE』がアメリカでの劇場公開に先立ちVIMEO ON DEMANDというサービスで先行配信されるようです。ハル・ハートリー監督は独特のスタイルを持ったアメリカのインディペンデント映画監督ですが、彼の映画監督としてお金を稼ぎ生きていく方法、は非常に柔軟です。 彼は新作を撮るためにKICKSTARTERで資金を募った結果、1ヶ月で39万ドル以上もの資金を見事に調達し撮影を開始することが出来ました。こうしたやり方はいわゆるクラウドファンディングと呼ばれるもので、何人もの監督がこの方法で自身の映画を撮っており、ハル・ハートリー監督もその一人になります。 Indiewire誌のインタビュー(*1)で「クラウドファンディングは面白い。何をするべきかどのように行うべきかを知るのにとっても役に立つんです、何故なら産業はどんどん変わっていってるからね。(…)劇場で公開することはほとんどの場合、そのあとに考えることだよ。」と語ります。劇場公開のプロセスまでを含めて予算を集めて制作を行う“賭け”のようなスタイルとは異なり、クラウドファンディングでは劇場公開はそのあとに考えられるものになります。自分の作品を見てくれるひとによびかけるため大きなリスクが減り、多くの出資者の声を聞くことも可能になります、また同じ理由で作品の自由度が上がります。 また、同誌での別の記事(*2)内で「インディペンデント映画監督のなかでも未だに映画は映画館で上映されるのが正統である、と考えてる人たちが多くいます。そして彼らは映画がとても好きです。私も多くのそうした友人を持ちますが、彼らはこう言います、映画は好きだが自分のビジネスモデルと上手くいかない、とね。」そして「もはやまったく劇場にこだわっていません」こうハル・ハートリー監督は語ります。 このように柔軟に現在の状況と向き合いながら、彼は自身の制作を続けます。しかし、同記事(*2)によれば、「その新作が高評価であったにも関わらずどこでもロードショーされないようです。」しかし彼はもはや劇場にこだわらないので、「その代わりにとった方法がVIMEO ON DEMANDでの公開だった」ようです。 また、「VIMEO ON DEMANDでの公開は収入の10%をVIMEO側の利益にすることでその宣伝を受け持つというのです。従来の制作スタイルと最も大きな違いは、権利が監督の側にある」ということのようです。そして「ハル・ハートリー監督が述べるには、クラウドファンディングによるものや自主制作は「1ドルを生みだせばすでに映画は利益を出しています、その時点で映画は既に完済されていますから。」というものになります。このような映画の公開スタイルでは従来と違い、彼に言わせると「より多くの収入が私の下に入ってきます」」と語られます。 このようなハル・ハートリー監督の自由かつ柔軟な発想は、もしかしたら彼の自由な映画のスタイルと大きく繋がっていると言えるかもしれません。こうした制作方法も彼の映画の魅力と呼ぶことは出来るのではないでしょうか。 KICKSTARTERでの『NED RIFLE』のページ http://ift.tt/1gfBzTE (*1) http://ift.tt/1sAA90m (*2) http://ift.tt/1uwloZA 三浦 翔 横浜国立大学3年/映画雑誌NOBODY http://ift.tt/1ofDLiA http://ift.tt/1iv7YL4

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