2014年7月30日水曜日

[World News #067] 2014年6月26日ワルシャワで、ポーランドの伝説的映画監督イェジー・スコリモフスキの新作映画『11 Minutes』の撮影が開始されました。(1) イェジー・スコリモフスキといえば長らく「知る人ぞ知る」存在でしたが、長い沈黙を破り2008年にメガホンをとった『アンナと過ごした4日間』で映画界へのカムバックを果たしました。2008年の東京国際映画祭以後、毎年来日しており、近年の日本では、スコリモフスキ映画は熱狂的な支持を受けています。 スコリモフスキ映画は、簡潔ながら強烈な映像と予想を裏切る独創的なストーリーが特徴です。 『アンナと過ごした4日間』は、サスペンス映画と恋愛映画を混淆させた不思議な作品、ヴィンセント・ギャロ主演『エッセンシャル・キリング』は、監督いわく「『ランボー』とタルコフスキーをミックスさせた映画」でした。 現在のところ、『11 Minutes』については、そのタイトルとシリアスなスリラーであるということしか伝わってきていませんが、昨年末の来日の時にスコリモフスキと話をした人によると、本作においても、極めて芸術的野心に満ちた挑戦が行われているそう。 そんなスコリモフスキ監督の、特集上映「『亡命』作家43年の軌跡」が、8月16日(土)よりシネマート新宿で行われます。(2) 前述の『アンナと過ごした4日間』『エッセンシャル・キリング』とともに、初期の青春映画の傑作『出発』(1968)、異色ホラー『ザ・シャウト』(1978)、ポーランドの戒厳令をテーマにした寓話『ムーンライティング』(1982)が上映されるとのこと。 この中で『ムーンライティング』はおそらく日本では初めてスクリーンにかかる作品であり、私見を述べるならば、これこそ現時点でのスコリモフスキの最高傑作でしょう。 ポーランドの民主化運動が盛り上がった1981年の12月に突如として戒厳令が布告され、当時ロンドンに居を構えていたスコリモフスキは異郷の地から祖国の動乱を描くことを決意します。ジェレミー・アイアインズ扮するポーランドの不法労働者たちのドラマで、極めて深刻で痛切な映画ですが、同時に、実はかなり笑えるシーンも盛り込まれています。 76歳にしてなお先鋭的な作品を世に送り続ける映画作家、スコリモフスキ。その新作を心待ちにしつつ、まずは8月の特集上映で盛り上がりまし ょう! 蜂谷智子 編集者・ライター Facebook( http://ift.tt/1nGCiFL ) (1)http://ift.tt/1lb2dB3 http://ift.tt/1uEW7T4 (2)http://ift.tt/1lb2dB5

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