2014年7月24日木曜日

Here's How They Brought 'A Hard Day's Night' Back to Life

[World News #062]『A Hard Day’s Night』復刻  50年の時を経てビートルズの映画『A Hard Day’s Night』がアメリカで最新のデジタル技術により5.1chサラウンド、オリジナルの1.75:1サイズで復元された。アメリカの100の街で劇場公開したのち、DVDとBlu-Rayでリリースされる。この作品は、フランスのヌーウ゛ェル・ウ゛ァーグに影響を受けて、リチャード・レスター監督によりビートルズの姿をドキュメンタリー風に撮影された。多くの大ヒットナンバーをフューチャリングしたこの映画は、ミュージックビデオの走りにもなっている。  デジタルリマスター復刻版はDCPによってのみ可能なのが現状である。従来のフィルムによるリリースでは、120もの映画館で一斉に上映することは出来なかった。膨大なお金のかかる白と黒のフィルムで上映をするには、莫大な資金がかかる。現実には、上映は何世代にも渡る複数のコピーで行われており、それらは必ずしも良い状態ではなかった。だが、現在ではオリジナルネガを4Kスキャンすることが出来る。その技術ではオリジナルのネガから写し取るときに一切歪みなどを生じさせない。このことによって、映画が受け取る価値のある鮮明なものへとなるのである。こうしたデジタル技術の目指すところは、オリジナルに如何に近づけるかということである。そのために複数の素材からベストの状態の部分を抜き出すことが出来る。ただし、そのときの作業は困難が付きまとう。機械では、汚れやフィルムの痛みを眼の光などと判別出来ないため、オートで処理してしまうと映像の乱れを間を補うことによりソフトでスムーズなものにするということしか出来ないのだ。  映画というメディアは生き生きとしているが故に、ビートルズの活力あふれる日常を捉えたフィルムは力に溢れている。そして、この映画は驚くほど素早く撮られた。このことは、映画の撮られ方が如何に自由であるかを現す。映画は物事を調和させるわけではない、むしろそれは断片的であり、不連続なものである。が、そうであるがゆえに映画はビートルズのエネルギーを捉え、文字通りに映像と音を現前させることが出来る。この『A Hard Day’s Night』で面白いのは、ジョンがいなくて画面には三人しか映っていないのにジョンをそこに感じるときである。それは、監督がジョンの靴を履いてビートルズのメンバーと一緒に走り回ることで生みだしたジョンの視点である。我々は、そうした視点からある親密さを感じるのだ。  海外情報サイトIndieWireのPaura Bernsteinは、上記のようなことを述べている。私自身が付け加えて置くべきは、復刻のことを考えるなら尚更フィルムの重要性が高まってくるということである。DCPといえども、結局はフィルムからスキャンするものである限り、もとのフィルムが失われては元も子もない。フィルムが腐敗しやすいと言うならば、尚更フィルムを保護せねばならない。何故なら、デジタルリマスターによる復刻という試みは『これから』行われることであり、いまはまだ多くの発見されるべきフィルムが残っている現状だからである。綺麗な映像がいいから『デジタル』なのではなく、綺麗な映像が良いから『フィルム』が大切ということを強調しておきたい。そして、DCPにより、現実的に可能なより広範囲の映画体験が出来ることとなることを私は願う。 http://ift.tt/1zIMWkx 三浦 翔 http://ift.tt/1ofDLiA

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