2014年7月17日木曜日

[World News #060] 「金正恩暗殺」を題材にしたコメディ映画 北朝鮮の最高権力者、金正恩第1書記の暗殺をテーマにした作品が米国で制作され、10月に公開が予定されている。これに対して、北朝鮮の外務省報道官が「最高指導者の尊厳が傷つく」として強い反発を見せている。(*1) 問題となった映画は、「ザ・インタビュー」(=The Interview)。トーク番組で司会を務める2人の主人公が、CIAから金正恩の暗殺を依頼されるというコメディ映画で、予告編を見た限りでも、金正恩が「イルカと話せる」と信じる部下が登場するなど、北朝鮮を強烈に皮肉る内容となっている様子。また、金正日役の俳優は髪型や体つきなどが本人にそっくりで、予告編が公開されるやいなや、北朝鮮は国営メディアを通じて、アメリカに対する非難を見せた。 その内容としては、「これは明らかな戦争行為だ」「もし米政府が上映を黙認するなら、冷酷な対応措置がとられることになるだろう」といったもので、実際に朝鮮国内では反米集会が開かれるなど、さまざまな抗議運動が巻き起こった。また軍隊の射撃訓練では、米兵の人型を標的にするなど、アメリカに対する嫌悪感が丸出しにされることとなった。 北朝鮮の反発声明に対して制作会社はノーコメントだったが、主演・監督・脚本の3役をこなしたセス・ローゲンは、「代金を払って映画を見た後で、俺を殺したいなどと思う奴はいないだろう」とtwitter(*2)で表明している。実際、今は情報だけが独り歩きしている感が否めないため、私たちは映画を鑑賞後、改めて判断をする必要性があるだろう。 これと同様の事例として、私たちはチャップリンの『独裁者』を思い浮かべるかもしれない。本作もまた、ヒトラーという独裁者を強烈に皮肉った作品であり、全体的にはコメディでありながらも、監督の平和への祈りがひしひしと感じられる、映画史上に残る傑作となっている。もちろん歴史的な名作と一概には比較できないだろうが、『ザ・インタビュー』が「独裁者」という存在を同時代的な感覚としてどう捉えたか、個人的には興味が尽きないところだ。 ちなみに、ヒトラーは『独裁者』を2回鑑賞しているが、英紙テレグラフによると、北朝鮮情勢に詳しい人の話として、金正恩もまた、『ザ・インタビュー』を観る可能性が高いとのこと。彼がどのような感想を述べるのか、こちらもまた興味は尽きない。 若林良 『ザ・インタビュー』予告編 http://ift.tt/SARBTD (*1) http://ift.tt/1nzPxmT (*2) http://ift.tt/1o48UYR facebookページ http://ift.tt/1miJEtG



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