2014年7月3日木曜日

[World News #050] 上映時間4時間!「過激な性表現」が持ち味のトリアー監督の新作 『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』といった作品で知られ、近年は『アンチクライスト』『メランコリア』など「極限下における愛」を描いた、数々の問題作を発表してきたデンマークの巨匠ラース・フォン・トリアー。その1部・2部合わせて合計4時間となる新作『ニンフォマニアック』(=色情狂、nymphomaniac)が今秋、日本で公開されることが発表された。 (第1部は10月11日、第2部は11月1日、新宿武蔵野館やヒューマントラストシネマ渋谷など全国で公開予定) トリアー監督は、多くの作品内において過激な性的表現を行うことで知られている。例えば、1998年に発表された『イディオッツ』という作品。健常者であるにも関わらず、知的障害者のふりをして社会を挑発する一団の生態に迫った作品であり、その極度な反社会性が大きな話題を呼んだ。当時トリアーらが提唱していた映画運動「ドグマ95」とともに、世界各国に衝撃を与えることとなった。 『イディオッツ』の先駆性は、作品中に「演技ではない」セックス描写を取り入れたことにある。この作品を受けて、同様の傾向を持ったアート映画が次々と制作されることとなった。例えば、カトリーヌ・ブレイヤの『ロマンスX』(1999)や、ヴィンセント・ギャロの『ブラウン・バニー』(2003)などがそれに該当する。トリアーのこうした動きは、ヨーロッパでの女性向けポルノの波を先導することともなった。 そして今回発表された『ニンフォマニアック』は、トリアーにとって『イディオッツ』以来14年ぶりの、「演技ではない」セックス描写を含んだ作品。自らを「色情狂」と自覚した女性ジョーの、誕生から50歳までの「性の歴史」を描く作品になるということもあり、性描写以外にも色々な過激さを含んだ作品となりそうだ。 主人公ジョーを演じるのは、トリアー作品の常連で、『アンチクライスト』では衝撃のヌードを披露し、カンヌ映画祭主演女優賞を受賞したシャルロット・ゲンズブール。40歳を超えた彼女がどんな成熟した演技を見せるか、今から期待は尽きない。 余談ではあるが、「過激な性描写」「上映時間4時間」と聞いて、ジャック・リヴェットの『美しき諍い女』を連想する方もいるかもしれない。この作品は、正確には「過激な性描写」が持ち味の作品ではないが、全編にわたって映されるエマニュエル・ベアールの裸体が、「猥雑ではないのか」といった論争を呼び、公開時大きな話題を呼んだ。それから20年が経過した現在、「性」の表現がどれだけ進んだのか、比較してみるのも良いかもしれない。 若林良 映画公式サイト http://ift.tt/161Z3vW 映画評 http://ift.tt/18wYvRb http://ift.tt/JCJ9jk



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