2014年11月22日土曜日

[World News #130] 11月22日から第15回東京フィルメックスが開催されます。 (Nov. 22 ~ Nov. 30) そこで、今年の東京フィルメックスのコンペティション部門で上映されるイラン映画『数立法メートルの愛』をご紹介します。 東京フィルメックスは今年で15年目を迎えるわけですが、今まで貴重な掘り出し映画を世に紹介してきました。なかでも日本では見落とされてしまう中東映画を勢力的に紹介することで、日本における中東映画の地位を確立してきました。ですから、東京フィルメックスにて、さらにはコンペティション部門にて上映される映画はアジア映画ファンにとって見逃せないのです。そして15年目を迎える今年、東京フィルメックスは初の単行本を出版します!(『この映画を観れば世界がわかる〜現在を刺激する監督たちのワールドワイドな見取り図』、¥1800)本書は、2008年〜2014年まで雑誌『SAPIO』にて連載された記事が元となっています。本書は、様々な国の映画を隔てなく上映してきた東京フィルメックスだからこそ編成できる映画の世界地図なのです。 さて今年、東京フィルメックス・コンペティション部門で上映されるイラン映画は、『数立法メートルの愛』と『プリンス』ですが、両作ともイランにおけるアフガン難民の現状をリアルに描いています。イランはアフガニスタンと国境を接している、そして言葉が通じるといった理由からイランへの合法/違法アフガン難民の移住は後をたちません。一方で、彼らは多くの場合、イラン政府の援助から見落とされ正当な教育を受けられず安い賃金で労働を強いられています。ですから、イランにおけるアフガン難民問題はとても深刻であり、多くの監督の作品でも度々取り上げてこられました。例えば、第二回東京フィルメックス(2001年)でも上映されたモフセン・マフマルバフ監督の『カンダハール』は、カンヌ映画祭でも話題をよんだ、アフガン難民の問題を真正面から描いた印象的な作品です。そして今年の東京フィルメックスのコンペティション部門で選ばれたイラン映画が2作ともアフガン難民を題材にしていることから、この問題がいまだにイランそしてアフガニスタンを悩ませていることが映画を通してうかがえます。イランへのアフガン難民の流出が増加する背景には当然、アフガニスタン国内の情勢不安が見え隠れしている訳でありまして、マスメディアでは流行のごとく騒がれそして忘れ去られた2001年のアフガン紛争やタリバンは、現実ではまだ過去の話ではないことを痛感します。 『数立法メートルの愛』は、テヘラン郊外で働くアフガン難民の恋愛を描いたストーリーです。自身もアフガン難民である監督による作品であることから、緊張感そして監督の想いを感じることができるでしょう。先ほども触れましたように、イランではアフガン難民の権利や地位が保証されないことが少なくありません、その結果、彼らがイラン社会で一定の地位を築くことはやはり並大抵の努力では達成されないでしょう。このような環境下でアフガン難民としてアフガン難民を題材とした作品を世界に発信した監督Jamshid Mahmoudiの熱意が感じられます。また、本作はイランでは珍しいが近年増加してきているインデペンデント映画、すなわちイラン政府から援助を受けていない作品であることも注目すべき点です。イランでは従来、政府の支援を受ける代わりに政府の意向を大いに受け入れるかたちで国内映画は製作されてきましたが、近年インデペンデント映画製作の増加に伴い、イラン政府の関与をできる限り最小限に抑えた比較的自由度の高い映画製作が可能になってきました。 『数立法メートルの愛』:http://ift.tt/1ujtOmL 『プリンス』:http://ift.tt/1AtetZ7 『この映画を観れば世界がわかる〜現在を刺激する監督たちのワールドワイドな見取り図』:http://ift.tt/1ujtQL8 『カンダハール』: http://ift.tt/1AtetrX Jamshid Mahmoudi: http://ift.tt/1Atets3 by Sevin http://ift.tt/1jB6EEk

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