2014年11月20日木曜日

Here's What's Wrong With the American Film Market — and Hollywood, Too

[World News #129] 皆様、「AFM」はご存知ですか?AFMはAmerica Film Marketの略で、今年で35周年を迎えた映画の見本市です。フランスの「カンヌ」、イタリアの「MIFED」と並んで世界三大映画見本市と呼ばれ、多くのバイヤーが訪れます。今日はそんなAFMが抱えている問題についての記事を紹介します。 私は今年、AFMに赴きました。サンタモニカで食べた22ドルのサラダや、ホテルの窓からの景色はそんなに悪くありませんでした。 しかし、映画に関してはどうでしょうか。AFMは、映画の質に関して全く考慮していません。それどころか、時には嘘をついたりします。AFI(*1)では、多くのタイトルが45分間流されます。AFIでは、何百もの映画か400本だけを慎重に抽出します。しかし、AFMでは、エントリーの条件は小切手のみであり、多くの出展社がマーケットで雑多に映画を流しています。 二つのイベントには、元は関係性がありました。AFIは質を、AFMはビジネスを追い求めていました。しかし、サンタモニカとハリウッドを結ぶといった困難以前の問題で、二つのイベントの関係性はなくなってしまいました。 世界各地から配給会社の代理人が殺到する中で、重要なものは質ではなくなってしまったのです。 確かにAFMは「ウェインステイン映画配給会社」や「ボルテージ」のような、良い映画をアメリカの映画館に配給しなくてはならない映画会社にとってありがたいものです。彼らはホテルでビジネスを行います。映画製作者から見たら、AFMは異世界です。しかし、バイヤーにとっては、映画を購入する過程で誰の感情も害することなく取引を遂行することができるようになります。しかしながら、こうした理にかなった側面がすべてではありません。 会社は、派手なポスターを使って宣伝しますが、その映画はまだ存在していないし、もしかしたら今後も存在しません。時々、オーソン・ウェルズの『The other Side of the Wind』や三池崇史監督の侍映画のティーザー(*2)などもありますが、AFMでの基本状態は、いんちき商品の売買となってしまっています。 私は、あてもなくAFMの会場の廊下をふらふら歩いていました。その中で私は、『Too Many Cooks』で下品なポップカルチャー特有の言葉のあやが大量に出てきたときと似たような気持ちを感じました。すなわち-「誰がこんな『クソ』に金を払うんだ?」 その答えは「多くの人」です。AFMは毎年世界中から8,000人の代理人を呼び込みます。企業にとっては、ローコスト/ハイリターンの仕事で、AFMにとっても安泰な仕事なのです。AFMはもはや、「質の不在」によって定義づけられます。本質的には、そのことが、制作会社が質の低い映画を生み出す要因となってしまいました。 AFMでは、海外のバイヤーのために「面白いインディーズ映画の発掘」も行われます。国内の配給会社では、海外のバイヤーたちの反応を見て、売れるかどうかを判断することが出来ます。そしてもちろん、AFMは売買の機会を必要としている会社同士を結び付けます。映画産業の発展によって経済活動を活発にさせようとしている国、例えばマレーシアやタイから、南米の多くの国のためにもなります。 しかしながら、その過程には映画の製作サイドが一切介在せず、製作者と配給会社の、未来に良い映画が作られるような直接的なつながりがありません。 ここには、世界的な映画産業が、商業を活発化させる芸術活動へのモチベーションを製作側に持たせることに失敗し続けている小世界が見られます。 もちろん、こうした問題は何も新しいものではありません。『Electric Boogaloo: The Wild, Untold History of Canon Films』でば30年間がらくたのような映画を売り続けてきた会社のやりくりを追っています。スタジオ・システムでない製作方法で作り、解放感を感じる一方で彼らは創造力を貧困にさせていきます。問題の一因は、AFMのようなイベントにあります。AFMは、表面上は経済活動の維持に主眼を置いているものの、ビーチでぶらぶらしたり、人々が大物であるかのように振舞うための言い訳となっています。真の映画文化を涵養するための見本市のはずが、その逆の結果を招いてしまっているのです。 あるAFMの出席者は「AFMはビジネスなんかじゃないよ。バカンスにお金を払っているだけだ」と述べました。彼は続けます。「AFMの会場で出来ることは、スカイプやEメールでだって出来るよ。全くばかげている」 記事:近藤多聞 *1 北米最大の国際映画祭。ハリウッドで開催されている。 *2 商品を隠したり小出しにしたりして興味をあおる広告など 引用: Indiewire: http://ift.tt/1A3Bem4

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