2014年6月5日木曜日

Anita Monga On the 2014 SF Silent Film Festival

[World News #030] みなさん、こんにちは!今日はサイレント映画について考えてみたいと思います。 2012年の第84回アカデミー賞で作品賞を獲得したのは、1920年代後半のハリウッドを舞台としたサイレント映画、『アーティスト』でした。時代に取り残されたかつてのスター男優と新進気鋭女優の恋物語は、サイレント映画(無声映画)からトーキー(発声映画)に移行する当時の映画界を象徴的に、ロマンティックに描きました。そして、サイレント映画の魅力を改めて観客に問いかけました。音のない世界に音楽が添えられ、なによりそこには、観客の豊かなイマジネーションが、作品世界に入り込む余地があります。 WAY TOO INDIE では、この5月29日から6月1日まで行われていた、サンフランシスコ・サイレント映画祭 (San Francisco Silent Film Festival) の美術監督を務めたアニタ・モンガ (Anita Monga) にインタヴューをしています。映画祭がおこなわれたカストロ・シアターは、1910年にオープンし、まさにサイレント映画の黄金時代を生きた映画館と言えます。 映画祭は、第一世界大戦百周年の記念を兼ねて、レックス・イングラムの『黙示録の四騎士』 (The Four Horsemen of the Apocalypse, 1921) で始まり、バスター・キートンの『海底王キートン』 (The Navigator, 1924) で閉幕しました。その他、カール・ドライヤー、小津安二郎、マックス・ランデーの作品が上映されました。 アニタはインタヴューの中で、現代人にとってサイレント映画を見ることは、非常にアカデミックな経験、つまり、シェイクスピアを読み、その劇を上演することと同じだことだと表現します。彼女が提唱するのは、サイレント映画の古典を、掘り起こし、私たちなりに解釈し、それにふさわしい伴奏をつけ、新たなショーとして、エンターテイメントとして繰り返し味わうことです。その意味で、アニタは劇場でのサイレント映画公開の普及を推奨します。シェークスピアの劇が今なお上演されつづけているように、サイレント映画の古典も、現代の劇場・映画館で上映され、生き続ける芸術であるはずだ、とアニタは言います。 彼女は、サイレント映画を語る時に思慮深さ、想像力の豊かさ (thoughtfulness) を強調します。映画の世界観に寄り添いそれを共に作り上げる想像力豊かな伴奏と観客がサイレント映画には不可欠である、と。つまり、観客にとっては、映画の世界、その時空間に自由に想像の翼を広げ、笑い、感情を揺さぶれ、冒険することこそ、サイレント映画の愉しみなのです。サイレント映画の古典には、「単純で退屈」という悪口を蹴散らす、なんとも知的な創造性が秘められているのです。 19世紀後半に映像が発明されて以来、人々は映画に魅了され続けてきました。映画技術は高度に進化を続け、今では、高音質技術で臨場感のある音を作ることも、3Dで映像を立体的に見せることも、CGで存在しないものを存在させることもできます。けれど、作り手の世界観が作品の中でより完成されていくについれて、私たち観客がそこにイマジネーションを膨らませる隙はどんどんなくなってきているのかもしれません。 しばしば、文明は人類を退化させるといいます。アニタは人々にはサイレント映画を楽しむストレッチが必要、と話します。サイレント映画は、現代人が失いつつあるかもしれない想像力を鍛え、その愉しみを取り戻す手助けをしてくれるかもしれません。 Anita Monga on the 2014 SF Silent Film Festival http://ift.tt/1i3O8E1 2014年度 サンフランシスコ・サイレント映画祭 http://ift.tt/1m1CiMV カストロ・シアター http://ift.tt/183pYZq 映画『アーティスト』予告編、http://ift.tt/1i3Oavs

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